拡大する日本製化粧品の海外輸出
おはようございます!fbiです。
先日、百貨店の化粧品売り場で「なぜ1個しか買えないのか?」とモメている中国人を見かけました。
2年ほど前には当たり前のように独りで20個も30個も購入していた、いわゆる“爆買い”も大手化粧品メーカーによる購入制限により、めっきり見なくなりました。
そのかわりに、冒頭のような“やり取り”を目にします。
代理購入による商品の買い占めは、時には商品棚から商品が消えてしまうような状態になり、日本人が購入できないという社会問題もNEWSで取り上げられたのは記憶に新しいと思います。
これに対し日本のメーカーの取った対策は、「購入個数制限」。
日本で大量に購入して中国でネット販売する場合、保存状態によっては使用に問題が起こる可能性があり、実際に問題が起きているといいます。
その結果メーカーのイメージ低下につながり、多くのメーカーが購入制限をかけるようになってしまいました。
「ファンケル」
2018年2月から個数制限を実施。
対象商品は、メイク落とし「マイルドクレンジングオイル」です。
「1週間に1人10個まで」とする通知を直営店に掲示しています。
「アルビオン」
有名ブランド「コーセー」の子会社です。
対象は「アルビオン」ブランドの乳液で、購入は1日1個となりました。
爆買いによって、生産が追いつかなくなったといいます。
「資生堂」
ファンケルと同じく今年の2月から個数制限を実施していました。
「SHISEIDO」ブランドの美容液に関して、購入を1日1個としています。
他のメーカーも化粧品購入の個数制限を強化する動きが強まってきているようで、まだまだ購入制限を打ち立てるメーカーは増えそうですね。
日本百貨店協会のインバウンド(訪日外国人客)推進委員会がまとめた、2018年3月の免税売上動向調査(93店)によると、免税売上高は2017年同月比48.1%増の290億円と最高益を更新しています。
いまだに、化粧品は中国などアジアからの観光客の人気ナンバーワン商品なんですね。
そんな事実を逆手にとって、攻めに転じる会社もあります。
化粧品人気を受け、韓国や台湾に「@cosme」相次いで海外進出!
コスメ・美容の総合情報サイト「@コスメ」を運営する株式会社アイスタイルは、
化粧品のセレクトショップ「@cosme store」の1号店「@cosme store Star House(アットコスメ・スターハウス)店」を香港にオープンするとのこと。
香港は、2017年の訪日客数が中国・韓国・台湾に次いで4番目に多く、日本への関心が強い傾向にあります。
また、越境Eコマース(EC)などで日本の化粧品の人気が高く、中国大陸部からの観光客が、香港を訪れる人の約75%(2017年、香港旅遊發展局)と大きな割合を占めているんです。
このような、香港在住者と現地を訪れる大陸部の消費者との接点にビジネスチャンスをつくり、着実に取りにいくのはさすがだと思います。
アイスタイルグループは現在、中国と台湾、マレーシア、アメリカなどで事業を展開しており、販路の拡大に加え、韓国・中国をはじめとした、アジアにおける「@cosme」の認知度を高める狙いもあるのでしょう。
国内では購入制限をかけブランドを守る流れであっても、国外では積極的に攻めるスタンスは、
日本の化粧品業界の更なる発展に繋がっていくような気がしました。
でわでわ。