日本人は「感情労働者」を搾取しすぎている 問題
おはようございます!fbiです。
さて、このブログを読んでくれているみなさんの中で、空気を読んだ感情コントロールに長けている方はおりませんでしょうか?
私は個人的に、日本人は世界一“愛想笑い”が巧い人種なのかもしれないと常々思っており、できれば私にそんな空気を読む方法を教えて欲しいと、心からお願いしたい今日この頃です。
今回はそんなお話・・・。
近年、SNSの台頭で、個人がメディアを持つようになり、
自己の意思や表現を自由に情報発信できるようになった反面、「既読」や「いいね」という評価で繋がっている人間関係に、心と行動を縛られてしまい、現代の日本人は人付き合いに疲れ果てている気がしています。
そんな予感を裏付けるかのように、世界では今、「孤独」が健康に甚大なる悪影響を与えるとして取りざたされ、「現代の伝染病」として大問題になっています。
日本人は世界一孤独な国民なのにもかかわらず、それを問題視する日本人はまだそれほど多くありません。
それどころか、
「孤独の何が悪い」「孤独上等」「放っておいてくれ」という意見のように、日頃の人間関係に辟易して、「一人になりたい」という声もあるくらいです。
そもそも「孤独」と「一人」はまったくの別物であり、独立した自己を確立し、一人の時間を持つことはもちろん重要ですが、社会から隔絶される「孤独」は礼賛されるべきものではありません。
しかし、「孤独」がなぜか、同調圧力に屈することの反義語のようにとらえられ、希求される現状を見ると、日本人はよほど、人間関係に疲れているのかと感じずにはいられないのです。
■世界の職場のストレス要因となっている「感情労働」
過度な気遣い、忖度、パワハラ、上意下達……。確かに、日本の職場の煩わしい人間関係に長時間もまれ続ければ、疲弊することは間違いないし、過密な通勤・通学電車の人いきれにうんざりして、一人になって、「人間関係デトックス」をしたくなる気持ちもよくわかります。
さらに、最近の日本、そして世界の職場のストレス要因として、特に注目される言葉に「感情労働」というものがあります。
「感情労働」とは、たとえば、笑いたくないのに、笑顔を見せなければならない、など、自分が本来抱く感情とは別の感情を表出させなければならない労働を意味します。
「感情労働」に従事する職種としては、エステティシャンや美容師などのサービス業が典型ですが、
いわゆる「おもてなし業」以外でも、客室乗務員、看護師、介護士、コールセンターのオペレーター、苦情処理係、銀行員、ホテルの従業員など、どんどんとその職種は広ります。
感情労働に従事する人は、お客様のどんな非常識なクレームや嫌がらせに対しても、自分の感情を押し殺し、礼儀正しく振る舞うことが要求されます。
こうした感情の抑圧や忍耐が知らず知らずのうちに、ストレスの原因となり、蓄積されているのです。
しかも、農業や製造業といった高度な対人関係をそこまで求められない雇用が激減し、
代わって、サービス業の雇用が増えている事を考えると、こうしたリスクにさらされる人は、産業構造の変化とともに激増しているといいます。
現代の総サービス産業化が進む中、昨今はSNSなどで、客がサービスへの不満をネットで告発するなどといったことも容易になっていることもあり、クレームやトラブルを恐れる企業側が、客への接遇を強化している背景もあります。
美容室に行っても、やたら丁寧に頭を下げられたり、カウンターの中にいるスタッフたちが一斉に、「ありがとうございました」などと声をそろえる姿や、わがままな顧客の不平不満を上手に受け止め、献身的に美に尽くすエステティシャンたちの姿には本当に頭が下がります。
■モラルとクレームの境界線はどこで引くのか?
一方で最近、一部のお客さまが必要以上のレベルのサービスを求めてクレーマー化し、サービス提供者に対し、「隷属的」「主従的」な関係性を押し付けている事実もあります。
最近、そうした現場で疲弊する人が増えているのが、“バス業界”です。
今年6月、千葉のバス運転手が、「客に暴言を吐いた」として処分される事案がありました。バスのドアを閉め、出発しようとした際に、ドアをたたき、乗せるように要求した客を乗せたところ、客が「なんでドアを閉めたんだ」と詰め寄り、それに激高した運転手が「この野郎」「お前なんか降りろ」と吐き捨てたといいます。
運転手はバスが遅れていたため、乗ろうとした客にマイクで「後続のバスに乗ってください」と説明し、ドアを閉めたということだったのですが、もちろん暴言はあってはなりませんが、ネット上では、そうした状況に置かれた運転手に対して、同情の声も集まっているそうです。
■企業は「スマイルゼロ円」を強制できるのか
本来の感情を長時間にわたって抑える『感情労働』の強制は労働者の精神や肉体に甚大な悪影響を及ぼすという研究結果もでてします。
海外では、企業はそうした人々をもっとサポートをすべきであり、『感情労働』そのものが不当で、禁止されるべきものといった声も少なくありません。
そもそも、エステサロンや美容室など接遇を本業とする職種であれば、“おもてなしに喜びを感じる人が多く、客の不満や苦情に対しても、対処の仕方をある程度は心得ている”のが当たり前という文化が日本にはあります。
AIやロボットの普及により、今後、さらに製造業などの就業人口は減り、対人関係を要求される「サービス業」の就業人口が増えていくことが予想されます。
対人力である「コミュ力万能信仰」がエスカレートする一方で、内向的で、そもそも、口数が多くはない、コミュニケーションは得意な方ではない、という人にとっては、窮屈な世の中になっていくことでしょう。
「対人力」「コミュ力」至上主義が、息苦しさを生み、その呪縛から逃れようと、現代人は「孤独」に対する憧憬を抱く、という矛盾も生まれています。
コミュニケーションが苦手という人たちにとっても居心地のいい空間や職場づくりを進め、雇用のミスマッチや人手不足を解消する取り組みがあってもいいのではないでしょうか。
業界の発展を考えるならば、次世代の人材育成において、「感情労働」も含めた労働環境整備をしていかなければならない気がしています。
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